
もっち
- 関東大手SIer勤務
- 10システム、仮想サーバ約200台の基幹系システムが稼働する仮想化基盤のインフラ運用リーダー
以下3点について、ブログで役立つ情報を発信
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もっち
以下3点について、ブログで役立つ情報を発信
「一生懸命書いた報告メールを、上司がまともに読んでくれない」 「結論を言え、と何度も注意される」
配属されたばかりの時期、誰もが一度は直面する壁です。なぜ、学生時代に書いていた作文や感想文と同じやり方では、ビジネスの世界で通用しないのでしょうか。
今回は、文章の根本的な性質の違いを理解し、多忙な上司の脳にストレスをかけない「ビジネスライティング技術」を解説します。
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この記事を読むことでのメリット
世の中の文章は、大きく2つの種類に分けられます。
最大のポイントは、ビジネス文書の読み手は「積極的に読んでくれない」という事実です。上司はあなたの文章を「読みたい」のではなく、「中身を早く理解して判断を下したい」だけなのです。
だからこそ、ビジネスライティングでは、読み手に「労力をかけさせずに伝える技術」が決定的な差を生みます。
人間は文章を読むとき、無意識に「次はこれが書いてあるだろう」と予測しながら読んでいます。この予測と、実際に書いてある内容がズレると、読み手は猛烈なストレスを感じ、理解のスピードが落ちてしまいます。
この予測を味方につけるための基本が、アンサーファーストです。
【用語解説】アンサーファースト 相手の問い(または知りたいこと)に対して、まず「答え(結論)」から述べる手法。
ビジネスライティングの標準装備とも言えるのがPREP法です。この型に従うことで、読み手の「次は理由が来るな」「次は具体例だな」という予測に完璧に応えることができます。
上司がメールを開いた瞬間、最初に目にする一行に結論がある。これだけで、上司の「読む労力」は劇的に軽減されます。
インフラエンジニアの日常的なシーンを例に、読み手のメンタルモデル(頭の中の型)に合わせた書き方を見てみましょう。
上司の最大の関心事は「予定通りか否か」です。
【進捗:順調】次期システム移行プロジェクト
結論: 予定通り来月末のカットオーバー(新システムの稼働開始)が可能です。
理由: 懸念されていたネットワーク設定が本日午前中に完了したためです。
状況: 現在、疎通テストを80%消化。残り20%も明日中に完了予定です。
ただ「やったこと」を並べるのは「ログ(記録)」に過ぎません。上司が知りたいのは、そこから得られたフィードバック(改善に繋がる気づき)です。
【日報 1/12】バックアップ作業の自動化完了
成果: 手動で行っていた確認作業をスクリプト化しました。
価値: チーム全体で毎日30分の時間を削減でき、他の重要タスクに注力できる環境が整いました。
障害時、上司のメンタルモデルは「いつ直るのか?」「影響範囲は?」という不安でいっぱいです。その予測(知りたいこと)に最短で答えます。
【復旧済】Webサーバー遅延報告(15:00時点)
1. 現在の状態:正常復旧済み。 14:30より全機能が安定稼働。
2. 影響範囲: 全ユーザーの約10%に遅延が発生。
3. 原因と処置: 設定ミスを確認し、切り戻し(ロールバック)を実施して復旧。
【用語解説】切り戻し(ロールバック) システムに変更を加えた後、問題が起きた際に、変更前の正常な状態に戻すこと。
多忙な人は文章を「読み」ません。「眺めて、必要な場所だけを拾い」ます。これを助けるのがスキャナビリティ(見つけやすさ)です。
ビジネスライティングの本質は、相手の「脳のエネルギー消費」を最小限にしてあげることです。
これらはいわば、ビジネスにおける「おもてなし」です。相手の時間を尊重し、最短で理解させる技術を磨くことは、あなた自身のプロフェッショナルとしての信頼を築く最強の武器になります。
今日から送るチャット1件、日報1つから、この「労力の最小化」を意識してみてください。
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