
もっち
- 関東大手SIer勤務
- 10システム、仮想サーバ約200台の基幹系システムが稼働する仮想化基盤のインフラ運用リーダー
以下3点について、ブログで役立つ情報を発信
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もっち
以下3点について、ブログで役立つ情報を発信
18年のキャリアで数々の「修羅場」を潜り抜けてきたインフラエンジニアのもっちです。
若手リーダー(3〜5年目)の皆さん、サーバーのスペックを決めるとき、根拠を論理的に説明できていますか?「なんとなく多めに」というサイジングは、オンプレミスならコストの無駄、クラウドなら予算承認の壁に突き当たります。
今回は、私が現場で実際に使っている「CPU・メモリ・ディスク」の計算式と、失敗から学んだ「未来を織り込む」思考法を詳しく解説します。
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まず、ターゲットとなる環境によって、サイジングの「重み」が異なることを理解しましょう。
| 環境 | 設計思想 | リスクへの考え方 |
| オンプレミス | 最大値設計(一発勝負) | 拡張が困難なため、5年間のピークを想定して過剰気味に積む。 |
| 仮想環境 | リソース共有と柔軟な拡張 | 物理の空きを見つつ、必要に応じて「後から足す」保険をかける。 |
| クラウド | 動的最適化(Right Sizing) | 厳密な計算より「運用しながらの最適化」を重視。ただし予算説明の根拠は必須。 |
クラウド時代になり、サイジングの重要性が低下したと言われることもありますが、それは半分正解で半分間違いです。
「なぜその予算が必要なのか」を経営層に説明するアカウンタビリティ(説明責任)は、どの環境でもエンジニアの必須スキルだからです。
ここからは具体的な計算式を紹介しますが、その前に大切なことがあります。それは、「数式に代入する数値(リクエスト数やデータ量など)の妥当性」です。
正確な入力値を顧客から引き出すための具体的な質問項目については、まずこちらの記事で整理することをおすすめします。

CPUは「瞬間的な処理能力」を基準に計算します。
必要コア数=⌈目標利用率ピーク時リクエスト数/秒×1リクエストあたりの処理時間×安全率⌉
メモリは「足りなくなったら即、システム停止」に直結します。
合計メモリ容量=(OS・エージェント+ミドルウェア+アプリヒープ領域)×安全マージン
【私の失敗談:メモリ増設の代償】 アプリの機能追加によるメモリ消費増を見落とし、本番稼働後にメモリが枯渇。仮想環境だったので緊急増設で凌げましたが、調整と作業で数日間、生きた心地がしませんでした。
ディスクは「今」ではなく「数年後」の姿を見ます。
必要ストレージ容量=(システム領域+現在のデータ量+(月間データ増加量×運用月数))×1.2
【私の失敗談:DB表領域の枯渇】 DBの「表領域(Tablespace)」の伸びを「点」でしか見ておらず、新規割当領域が突然パンクしました。かつて、ログの保持期間を曖昧にしたまま運用を開始し、ディスクがパンクしかけた苦い経験もあります。
サイジングで最も重要な思考法は、「現状のスペック(点)」ではなく「ビジネスの成長(線)」を設計に織り込むことです。
過去の統計データだけを見てサイジングするのは危険です。なぜなら、エンジニアが知るべき情報は「未来」にあるからです。
これらの情報を引き出すには、聞き方よりも「場」の設定が重要です。
若手リーダーにぜひ実践してほしいのが、サイジングを「自分一人の責任」にしないという戦略的アプローチです。
会議で経営層を納得させるための具体的なヒアリング項目の参考として、以下の記事にIPAによる「非機能要件グレード」シートをへのリンクを入れているので、参考にしてください。

サーバーサイジングの計算式を学ぶことは、パズルを解くことではありません。
顧客や経営層に対し、「なぜこの金額が必要なのか」をプロとして説明し、信頼を勝ち取るためのツールです。
技術的な根拠(計算式)と、戦略的な立ち回り(エビデンス確保)。この両輪を回して、ビジネスを支える強いインフラを構築していきましょう。

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