
もっち
- 関東大手SIer勤務
- 10システム、仮想サーバ約200台の基幹系システムが稼働する仮想化基盤のインフラ運用リーダー
以下3点について、ブログで役立つ情報を発信
- インフラ技術・システム運用
- キャリア・マネジメント
- エンジニア実務・仕事術


もっち
以下3点について、ブログで役立つ情報を発信
エンジニアとしてキャリアを歩む中で、私たちは日々新しい技術を追い求めます。複雑なアーキテクチャを理解し、洗練されたコードを書く。それはプロとして当然の研鑽であり、素晴らしいことです。
しかし、現場でこんな場面に遭遇したことはないでしょうか。 「あの人は技術的に誰よりも詳しいはずなのに、なぜかプロジェクトが進まない。むしろ、彼がいることでチームが停滞している……」
今回は、技術力という「個人の力」が、コミュニケーションという「チームの接点」を欠いたときに何が起きるのか。そして、私たちが目指すべき「プロの姿」について考えてみたいと思います。
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この記事を書くにあたって私の原体験となった出来事をNote記事に書いています。よかったらこちらも見てみてください。

若手エンジニアに常に意識してほしいのは、「技術はあくまで手段であり、目的はユーザーに価値を提供することである」という点です。
どれだけ美しい設計をしても、それがサービスとしてリリースされ、誰かの役に立たなければ、ビジネスとしての価値は生まれません。個人として高いパフォーマンスを出すことだけを求めるのではなく、「チームとして最大限の出力を出すにはどうすればよいか」をメンバーの一員として常に頭に入れておく必要があります。
かつて、インフラ構成に非常に精通したエンジニアがいました。 彼は打ち合わせのたびに、教科書通りの「あるべき論」を説きましたが、そこには決定的なものが欠けていました。それは、「このプロジェクトを期限内に着地させる」という当事者意識です。
厳しい言い方ですが、完遂させられない正論は無価値です。 現場は常に、予算・納期・技術的負債といった制約の中にあります。理想を語ってプロジェクトを停滞させるより、現実的な最適解を見出し、泥臭くても完遂させることの方が、はるかに高い価値を提供できていると言えます。
そのエンジニアは、自分は手を動かさず、安全な場所から「ここがダメだ」と批評するだけでした。さらに、質問をしても「なぜこんなこともわからないのか」という態度を取る。
こうなると、チームメンバーは彼に聞くことを諦めます。 心理的安全性が失われ、情報の断絶が起き、本来防げたはずのミスや遅延が積み重なっていきました。 最悪だったのはプロジェクト終盤。彼は自分の担当分だけを終わらせて離脱しましたが、連携不足ゆえにインターフェース部分でエラーが多発。結局、残されたメンバーに膨大な手戻りが発生したのです。
批判はするが対策案は出さない。失敗した後で「実はこう思っていた」と正論を言う。こうした「責任を取らない評論家」は、チームにとって害にしかなりません。
理想を振りかざしたくなる気持ちは分かります。しかし、仕事においては常に「自分に配られた環境という手札」をもとに戦うしかありません。
これらを嘆いても現実は変わりません。プロとは、その限られた手札の中で、チーム全員の力を合わせて「最高の結果」を導き出せる人を指します。
技術は教えればすぐに身につきます。しかし、仕事に対する誠実な姿勢や、周囲と協力しようとする愛想、チームを完遂へと導く責任感は、一朝一夕には身につきません。だからこそ、現場では「技術力」以上に、「チームを大切にする姿勢」が選ばれるのです。
どれだけ優れたエンジン(技術)を持っていても、タイヤ(人間関係・姿勢)がパンクしていれば、車は一歩も前に進めません。
あなたの持つ素晴らしい技術が、チームの助けとなり、確かな価値としてデプロイされるために。まずは「評論家」ではなく、現場を動かし結果を出す「実業家」としての一歩を踏み出してみませんか。
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