AI時代に「ギュラれない」インフラエンジニアの生存戦略【安野貴博氏の動画考察】

もっち

大手SIerに18年勤務。オンプレ・クラウド計200台規模の大規模インフラ(10システム)を統括する現役のサービスマネージャーです。

保有資格はITサービスマネージャー、ネットワークスペシャリスト、AWS SAPなど。

システム運用・インフラ技術、マインドセット、キャリア戦略など、現場で役立つ情報を若手エンジニアへ向けて発信中。

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こんにちは、もっちです!

最近、SNSやニュースで「AIの進化によってエンジニアの仕事がなくなるんじゃないか?」という議論をよく目にしませんか?

特に、これからインフラエンジニアを目指す方や、経験の浅い若手エンジニアの方は「せっかく苦労して技術を身につけても、数年後にはAIに居場所を奪われてしまうのでは……」と不安に思うこともあるかもしれません。

そんな漠然とした不安を抱えている方に、ぜひ見てほしい素晴らしいYouTube動画があります。

AIエンジニアであり、先日の都知事選でも大きな話題を呼んだ安野貴博氏の動画『【ゆる解説】AIで仕事がなくなる?AI失業は実際どれくらい起きるのか?』です。

今回は、この動画で語られている重要なキーワードを整理しつつ、「じゃあ、これからのAI時代にインフラエンジニアはどう生き残ればいいのか?」について、僕自身の考えを交えて深掘りしていきたいと思います。

目次

安野貴博氏の動画に学ぶ「AI失業の3つの仮説」と日本の現実

安野氏の動画では、AIが雇用に与える影響について、多角的なデータと3つの興味深い仮説が紹介されています。

  1. ジュニア層への影響(Anthropic社CEOの予測):ホワイトカラーのエントリーレベル(事務やリサーチなど)が最も影響を受けやすい。
  2. AIウォッシング(OpenAI社CEOの指摘):コロナ禍の過剰採用の反動によるリストラを、企業が「AIのせい」にして正当化している側面がある。
  3. ジェボンズのパラドックス:効率化によってコストが下がると、逆に需要が爆発して全体の消費量(=雇用)が増える(例:ソフトウェア開発コストが下がれば、より多くのアプリやシステムを作りたいという需要が増え、結果的にエンジニアが必要になる)。

さらに動画では、アメリカでは一部の若手やフリーランスに影響が出始めているものの、日本は根本的な「激しい人手不足(2040年までに1100万人不足)」に直面しているため、大失業ではなく「企業内での配置転換やリスキリング」が主流になるだろうと予測されています。

インフラエンジニアの需要は減らない!ただし求められる「質の変化」とは?

私個人としても、安野氏の「日本全体でエンジニアの数が減るわけではない」という意見に強く賛同しています。現場でも効率化による人員の適正化は身近に感じますが、エンジニアという職種自体が消えるわけではないと思います。

ただし、「インフラエンジニアに求められる能力の質」は、これまでとは劇的に変わると確信しています。

一言で言えば、「情報収集と現状分析はAIが圧倒し、人間は未来の判断に特化する」ということです。

今までは、「ログを集めてエラーの原因を調べる」「現在の構成を調査して資料にまとめる」といった現状分析の作業に、多くの時間と人手が割かれていました。しかし、こうした作業はAIが最も得意とする領域です。

これからの人間に求められるのは、AIが綺麗に整理してくれたデータや分析結果をベースに、「じゃあ、このシステムを未来に向けてどう変化させていくべきか?」を見据え、自分の責任で方針を判断する能力です。

ジュニア・未経験のエンジニアがAIに代替されないための2つの武器

動画の中で、業界ではシンギュラリティ(技術的特異点)によって仕事が代替されることを「ギュラれる」と呼ぶ、という若者のエピソードが紹介されていました。

若い世代や未経験からこの業界に入った方が、AIに「ギュラれない」ため、むしろAIを強力な相棒にして市場価値を高めるためには、次の2つの武器が必要です。

武器①:ツールの流行を追う前の「圧倒的な基礎力」(コンピュータサイエンス)

AIの登場によって、パッと見のコードを書くことや、クラウドの画面をポチポチ操作してインフラを作る難易度は下がりました。

だからこそ、差別化になるのは「今まで以上に深いシステムへの理解」です。

  • OSの内部処理はどうなっているか?
  • パケットはネットワークをどう流れているか?
  • システム全体を俯瞰したとき、サービスとしてどのようなデータの流れを持っているか?

こうした、流行り廃りのない「コンピュータサイエンスの基礎」や「システムの詳細な仕組み」への理解が、AIの出した回答が本当に正しいかを検証し、適切な将来像を描くための「正しい判断の土台」になります。流行りのツールを追いかけるだけでなく、まずはこの泥臭い基礎にしっかりと足を着けることが、結果的に最大の生存戦略になります。

武器②:「AIのデータ」をもとに自分の責任で決めるマインドセット

AIは過去のデータから高精度な分析を出してくれますが、「我が社のサービスは、1年後にこういう価値を届けたいから、このインフラ構成にする」という意志決定はできません。

AIの分析結果を鵜呑みにせず、「未来を見据えて、自分の責任で方針を判断する」というマインドセットを持つこと。指示された通りに設定を投入するだけの「オペレーター」から、ビジネスとシステムを繋いで将来を設計する「アーキテクト」や「マネージャー」への意識改革が、若手のうちから求められます。

まとめ:AIを最強の相棒にして、これからのインフラの未来を描こう

安野氏は動画の最後で、統計的なシグナルがまだ弱くても、変化はある日突然「非線形(ピンと跳ねるように急激)」にやってくる可能性があるため、準備が大切だと締めくくっていました。

インフラエンジニアの役割は、AIによって縮小するのではなく、「より本質的で、よりクリエイティブな判断業務」へとシフトしていきます。

OSやネットワークの流れといった基礎をしっかりと学び、システム全体を俯瞰する視点を持てば、AIはあなたの仕事を奪う脅威ではなく、あなたの可能性を何倍にも広げてくれる最強のツールになります。

変化を恐れず、AIを使いこなしながら、これからのインフラの未来を一緒に作っていきましょう!

それでは、また次回の記事でお会いしましょう!

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